ヴァンサン・カッセル主演ジャック・メスリーヌ
「Part1ノワール編」「Part2ルージュ編」同時上映
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イントロダクション

本物のギャングに憧れ、〈伝説の犯罪王〉になった男
 金を奪うのは銀行や金持ちからだけ、男と男の絆を何よりも大切にし、裏切り者には容赦ない報復、女には限りない愛を注ぎ女から深く強く愛された男
──その名はジャック・メスリーヌ。
世界中が政治や思想闘争に揺れ動き混沌としていた時代、大西洋をまたぐ2つの大陸で〈社会の敵No.1〉と呼ばれたギャングがいた。

 〈千の顔をもつ男〉の異名を取るほど変装の達人だったメスリーヌは、その人格もまた複雑で、ごく普通の家庭に生まれながらギャングの世界で生きる道を選び、センセーショナルに社会を挑発。まるで映画から飛び出して来たようなギャングの登場に、時代は強烈なスポットライトを浴びせる。が、その一方で彼は、「犯罪社会にヒーローはいない」と自らを冷静に客観視していた。

 映画『ジャック・メスリーヌ』は、死後もなお“伝説”として人々の記憶に深く刻まれる不世出の犯罪王の生きざまを鮮烈に描いた作品である。
ギャング映画を超越した深い人間ドラマ
 本作は2部構成になっており、Part1[ノワール編]では、1959年、若き日のメスリーヌがアルジェリア戦争の兵役を終えパリに戻ったあと、ギャングに仲間入りし強盗を重ねる。カナダへの逃亡後、犯罪を重ねて入獄、そして驚異の脱獄によりカナダで〈社会の敵No.1〉と称されるまでを描く。

 Part2[ルージュ編]では、フランスに舞い戻り、銀行強盗、誘拐、脱獄を繰り返し、フランスでも〈社会の敵No.1〉と呼ばれる。執拗な警察の追跡から逃亡を続けた彼が、1979年11月2日、パリで警官隊の銃撃により壮絶な最期を遂げるまでを描く。

フランス映画界至高のオールスターキャストが魅せる迫真の演技
 主人公メスリーヌを演じたのは、『ドーベルマン』『イースタン・プロミス』等で強烈な個性が印象的なヴァンサン・カッセル。20kg増量して臨んだ気迫あふれる演技によってメスリーヌの魅力を21世紀に蘇らせたカッセルは、セザール賞と東京国際映画祭で主演男優賞を受賞。

 メスリーヌの人生を彩る人々を演じる俳優も、新旧のフランス映画界を代表する豪華な顔ぶれが揃った。メスリーヌ最後の情婦シルヴィアに、『スイミング・プール』『情痴/アヴァンチュール』等で蠱惑的な若手女優ナンバーワンのリュディヴィーヌ・サニエ。メスリーヌを育て上げるボス、ギドに、数々の賞に輝くフランスを代表する俳優で、『あるいは裏切りという名の犬』『エディット・ピアフ愛の讃歌』等のジェラール・ドパルデュー。メスリーヌの最高のパートナーだったジャンヌには、『ロシアン・ドールズ』『モンテーニュ通りのカフェ』で高い評価を受けるセシル・ド・フランス、メスリーヌと対照的な性格の相棒フランソワ・ベスに、『潜水服は蝶の夢を見る』『007/慰めの報酬』のマチュー・アマルリックなど。
フランスNo.1ヒット作を生み出した実力派のスタッフ
 監督はハリウッド映画『アサルト13 要塞警察』を手がけたジャン=フランソワ・リシェ。アクション映画の枠におさまらない鋭い人間観察と演出力が光り、本作で見事セザール賞監督賞に輝いた。プロデューサーは、メスリーヌの映画を作るという子供の頃からの夢を実現させた、『ル・ブレ』のトマ・ラングマン。脚本は、09年カンヌ映画祭グランプリ“Un Prophète”のアブデル・ラウフ・ダフリ。スピード感あふれる撮影は、『アサルト13 要塞警察』のロバート・ガンツによる。音楽はハリウッド作品で活躍する『3時10分、決断のとき』のマルコ・ベルトラミ。美術は『レセ・パセ自由への通行許可証』のエミール・ギゴ、衣装は『スパイ・バウンド』のヴィルジニー・モンテルが60、70年代のファッションスタイルを完璧に再現した。また『戦場のピアニスト』のフランソワ・グルーを含む録音スタッフは、揃ってセザール賞音響賞を受賞している。

 本国フランスで2008年10月にPart1、11月にPart2が公開されるやいずれも1位を記録し動員380万人という驚異的な成績を達成した。


 註:メスリーヌの表記について、実際は「メリーヌ」と発音するが、当時の仏マスコミの発音「メスリーヌ」に準じている。